@phdthesis{oai:ynu.repo.nii.ac.jp:00005591, author = {富樫, 陽太}, month = {Mar}, note = {原子力発電所の基礎や長大橋の橋脚の基礎,山岳トンネルなどの岩盤構造物の建設の際には,岩盤の力学特性を調査する必要がある.岩盤はインタクトな岩と不連続面から構成され,一般的に不連続面が強度や剛性の弱い面となることが多いため,岩盤の力学特性は不連続面の力学挙動に支配される.例えば層理や節理群などの規則的な不連続面を含む岩盤は,外力と不連続面の方向の関係で力学特性が異なる異方性を示すことが多い.従来では,サンプリングの方向を変えたコアを用いた複数回の室内試験を行うことで力学特性の異方性を調査してきたが,一般的な原位置調査法の岩盤せん断試験や平板載荷試験ではコストや時間の制約で複数本の試験ができないため,原位置岩盤で異方性の調査は難しい.また,室内試験でも,複数回の試験を行うことで性状の異なる岩の力学特性を平均値化していることや試験コストが問題となっており,少ない試験回数で合理的に岩盤の力学特性の異方性を調査できる手法が必要である.そこで,この研究では合理的に岩盤の力学特性の異方性を調査する手法を開発するために,まず三軸試験の供試体(要素)と中空ねじり試験の中空円筒試験体(非要素)の力学挙動を調べた.変形特性では,岩盤工学の分野で不連続面のモデル化にしばしば用いられる面内等方弾性体を用いた軟岩を想定した解析を行い,三軸試験などの要素試験における円柱供試体が不連続面の方向によっては,応力とひずみが非共軸になり軸対称性を満たさない「非三軸状態」となることを明らかにした.また,中空ねじり試験の解析では,ねじりせん断時に中空円筒試験体の内部で応力が非一様に分布することを理論解析と離散化解析の両方で明らかにした.強度異方性では,単一の弱面(すなわち不連続面)を含む岩盤を想定して,三軸試験時と中空ねじり試験時において不連続面の傾斜を変化させたときの強度特性を考察した.その結果,三軸試験などの要素試験では要素内の応力が一様となるため,応力経路が単一で複数の試験を行うことでしか強度異方性の調査ができないが,非要素試験である中空ねじり試験では,不連続面の応力分布を適切に評価すれば強度異方性が1 回の試験で調査できることを,軟岩を想定しインターフェース要素で不連続面を模擬した弾塑性FEM 解析によって明らかにした.これらの試験条件や材料パラメータを適切に設定した基礎的な解析結果から,岩盤の変形特性の異方性を調査できる三軸試験および解析方法を発明した.この試験方法は2 種類あって,1 つは変位計測式キャップを用いた三軸試験で,異方性岩盤の変形に合わせてキャップあるいはペデスタルが載荷軸に直交する面内で可動できる機構を備えており,異方性に起因する変形を計測できる.2 つ目は,荷重計測式キャップを用いた三軸試験で,供試体とキャップおよびペデスタルの境界が載荷軸方向に直交する方向に変形が拘束されている通常の三軸試験に近い条件で,異方性に起因する変形を抑え込むことで発生する反力を計測できる.これら2 つの手法では,1 回の試験で不連続面の方向と5 つの弾性パラメータが安定して調査できる.さらに,岩盤の強度と変形の異方性を1 回の試験で調査できる原位置岩盤ねじりせん断試験および解析方法を発明した.この試験は,露頭などの岩盤を掘削して中空円筒の試験体を作製しねじりせん断する試験である.異方性に起因する応力分布を,試験体上端に設置した分割ロードセルで計測することで面内等方弾性体を仮定した岩盤の不連続面の方向と弾性パラメータ5 つが安定して求められる.強度に関しても,破壊時の応力分布を適切に評価すれば強度異方性を調査できる.}, school = {横浜国立大学}, title = {岩盤の力学特性の異方性に関する調査方法の開発}, year = {2014} }